子育ては、未来から見て「予防」する―心と体の健康を守る歯科医のお話

「治療をしない歯科医」川邉研次先生が35年間培ってきた、子育てのメソッドをまとめた『かわべ式 子育てスイッチ 〜生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣〜』。その発刊にあたってのインタビューをお届けします!

お母さんの正しい知識と笑顔―子育ては「いま」変える。

◆『子育てスイッチ』について◆

35年間、赤ちゃんや子どもたちの成長を見続けてきた歯科医が書いた「子育て」の本。目指すのは「こころとからだの健康」です。今まで、歯医者も産婦人科も小児科医も、誰も教えてくれなかった、生まれた時からすぐ始められる!息食動想環の繋がりで考える、親と子どもが幸せになるための88の子育てスイッチです。

―『子育てスイッチ』に「逆さまから考える」とありますが、具体的にはどのようなことでしょうか?

川邉先生:僕は、静岡のかわべ歯科にいたときから37年間、子どもの「予防」をしながら、その子たちが大人になるまでをずっと見続けてきました。どのような育ち(親や環境)をした子が、どんな成長(心や体)をし、どんな大人になって、どんな職業に就いたのかまで見届けることができたのです。一時的な治療ではなく、「予防」という観点からのお付き合いなので、このようなことが可能なのですね。これは、「未来から今を見る」ということです。「未来から今へ」という「真逆」の方向から見るからこそ、その子の「これから」を予測することができるのです。「逆さまから考える」とは「未来から考えて予防をする」ということですね。

―川邉先生は、子どもの成長のために、親御さんの心身が健康であることも重視し、その指導も行っていらっしゃいます。

川邉先生:腕を組んだり、鼻をいじるなどの癖を持つ子どもがいるとします。これは潜在意識に焼き付けられた、新しい遺伝子・DNAが行っていますが、この潜在意識を作り出すのは、子どもの場合、ほとんどがお母さんです。それか周りの人や環境ですね。

これは心理学の用語でいうと、「アフォーダンス理論」という、環境が人に与える影響について体系立てられたものによって説明することができます。例えば、渋谷のスクランブル交差点で、温度などの条件を整えると、全員が同じ方向に動き出すのですが、これは、脳の考え方や行動パターンが環境によって左右されるということを示しています。私はこの「環境」を、親や子どもの周りにいる人たちに当てはめて考えました。

また、心理学に「インナーチャイルド(子どもの頃の記憶や心情のことで、傷ついた心を指すこともある)」という言葉があります。「ママ!ママ!」と言いさえすればやってくれていたのに、突然してくれなくなった。このようなことが傷ついたインナーチャイルドとして焼き付けられて、脳の異変となっていきます。子どもの行動パターンの97%は、今、目に見えている顕在意識でなく、親の言動により潜在意識に焼きつけたものなのです。ですから私は、未来(子どもの将来)から見て、親の行動パターンへアプローチをしています。

ところで皆さんは、人が生まれてからできる歯は、何本あると思いますか?

歯は、前歯の真ん中から奥まで数えると、親知らず1本を含めて8本×4箇所ですから、全部で32本あります。親知らずは10歳くらいになってから元が出来ます。また、第二小臼歯と第二大臼歯も生まれてから出来上がりますが、他の歯は永久歯も含めて、母胎内にいる時に、歯胚という歯の元としてすでに出来上がっているのですね。ですから、歯はお母さんから受け継いだものなのです。妊娠中のお母さんに異変があれば、その子どもに永久歯がないこともあります。健康で活発で元気のいいお母さんなら大丈夫です。

【人生の公式2】子どもの幸せ⇆親の幸せ 子どもを幸せにしたいなら、まずは親が幸せであること。

―川邉先生は、子育てと社会構造の変化にも注目していらっしゃいます。

川邉先生:これは学術的にも認められていることですが、卵子は25歳を超えると老化していきます。高齢出産で問題が起こることがあるのは、この卵子の問題もありますが、一番の問題点は、おばあちゃんとお母さんの年齢の差にあります。昔は、10数年くらいしか離れていなかったのに、今では30年くらい離れているのが普通です。これによって、社会構成が変わってきました。去年のデータで見ますと、毎年50万人~100万人の人口が減っています。2025年になりますと、日本の人口は1億人を切り、2048年には江戸時代と同じ人口になっている可能性もあります。高齢化社会の到来で、「高齢者を誰が見るのか」という問題が出てきます。ですから、これに立ち向かうためにも、赤ちゃんのうちから、高齢になったときを見据えた予防をするのです。

少し前までは、40代から認知症の予防をすればよかったのですが、今は、このような老化について対策すべき年齢が下がってきています。20代でも尿漏れはありますし、20代から40年以上寝込む人が、もしかすると1万人を超えているかもしれないのです。

また、発達障害の子どもたちが増えています。子どもの障害に悩んで夫婦関係がうまくなくなったりしますが、これについては、ホルモンとの関係まで考えました。何故、夫婦喧嘩が起こるのか?また、何故、子どもが2歳になるまでの離婚率が高いのか?これは、実は、ホルモンが関係しています。

本来子どもは、社会が育てればいいのです。社会に安心して預けられれば、悩みや夫婦喧嘩も減るはずです。しかし、今のように社会が不安定な状態では預けることができません。僕は、子どもを安心して預けられる社会を作りたいと思っています。親が共働きで、元気に働いて帰ってきて、子どもの元気な姿を見て喜ぶ、そんな昔の社会の方が、優れているのではないかと思います。江戸時代に士農工商による階級が出来上がったことで、社会の体制が崩れ始めましたが、本来は、共同で生きるのがホモサピエンスのあり方なのです。

また、子どもたちが自然の中で遊べる社会が欲しいと思っています。これが、虫歯、歯周病、病気の予防にもなると思います。川の水を綺麗にすることと裸足で遊べる運動場を、今の大人たちで作ることができれば、子どもたちの将来は素晴らしいものになりますし、大人の社会を守っていくことにも繋がります。

僕はこのような世界を30年以上前には思い描いていました。歯医者として、「治療しないで治す」ということを目的としてやっているうちに、この社会の姿が、理想として見えてきたのです。

僕は歯科医としてだけではなく、子を持つ親として孫たちが育つ世界も守ってあげたいという思いがあり、それは口の中の予防によっても成すことができるものでした。未来から口の中を見ると、その子がどう成長していくかが見えるのですね。この子なら、矯正をしなくても歯並びも顔もよくなるし、視力もよくなるといったような成長の様子が見えてくるのです。

この「予防」は広めるべきだと思いますし、教育で実現できることだと思います。予防によって成長・発達していく世界があるということを知ってほしいと思います。僕の子どもが協力してくれているので、孫の成長の様子はお見せすることはできますし、協力してくれるお母さん方も増えてきたことが、『子育てスイッチ』を書く後押しにもなりました。『子育てスイッチ』は、変換点です。知識があれば、人生は変えることができます。子どもが変われば、お母さんの人生も変わりますし、皆が笑顔でいられます。そんな家族を思い描いていたら、実現することができたのです。うちで行っているのは、歯並びの矯正ではなく、筋肉のトレーニング、笑顔のトレーニングです。笑顔をつくる方法を一緒に学んでいるのです。

―未来歯科 川邉研次(Kawabe Kenji)

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1953年、愛知県半田市生まれ。歯科医師として、噛み合わせ治療や顎関節治療において、歯を削ることや抜くことに疑問を感じる。自身の交通事故による顎関節症で整体に通うなかで姿勢に着目。その後、数々の試行錯誤の末、世界初の予防歯科システム「姿勢咬合によるメソッド」を開発。削る治療から削らない治療へ、そして薬の臭いの無い歯科医院を目指し活動する。現在は、口腔内にとどまらず、全身疾患の根本的原因を捉えるトレーニング、解決を図るためのセミナーを積極的に行っている。また、20年以上の長きに渡りホワイトニングの研究・セミナーを続けており、これまでに受講した歯科医師数は、のべ1,700名以上、1,500件以上の全国の歯科医院でその技術が導入されている。著書に、「知っておきたい「最新歯科医療」」、「「身長伸ばし」5分間ダイエット」、「かわべ式 願いをかなえるハッピーノート」、「手相を描けば幸せになれる!」など多数。累計約100万部。

2020年、これまで培ってきたメソッドをまとめた『かわべ式 子育てスイッチ 〜生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣〜』を上梓。

◆子育てスイッチの紹介◆

本書はオールカラー!そして読みやすいペタ―っと開くコデックス装

月齢ごとに必要なメソッドを見開きでわかりやすく紹介。

抱っこの仕方やおっぱいの与え方、泣かせ方、歯が生える前の歯磨きの方法、お口ぽかんにならないための姿勢から親が元気でいるための秘訣まで。

赤ちゃんも親も笑顔で成長するためのメソッドが満載です!

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㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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