何をやればいいですか?~子ども時代①

自分が生きている時代とは大きく変わる時代を生きる我が子。そんな我が子に、どのように育ってほしいか。願いはあっても、自分が経験したことのない人生については指針がないのも事実。普遍的な一つのヒントになるようなことをお届けできればと思います。

こんにちは!エッセンシャル出版社の小林です。

【プロフィール】

大学卒業後、年中~小学校6年生までの子を対象とした塾、花まる学習会に入社。将来メシが食える大人になること、魅力的な人になるということを教育理念の事業で、授業や野外体験の引率などを行う。授業など子どもたちに関わる傍ら、広報部、講演会事業、ブロック責任者などあらゆる業務にも携わる。現在はエッセンシャル出版社で、本づくり、広報など、出版業に関わる全てに携わる。

エッセンシャル出版社: https://www.essential-p.com/

以前、私が幼児~小学6年生までの子に授業をしていたときに感じたことです。ある課題が終わったあとに、必ず「次は何をやればいいですか?」と聞く子が一定数いるのです。

幼稚園生や低学年の子の授業では、これとこれが終わったら次の時間までNG(外に行くなど)行為以外は自由にしていいことになっているのです。多くの子は「遊びたいこと」「興味があるからやってみたいこと」「積み木のような教具を一番高く積み上げるというのに挑戦したい」「友だちとクイズを出し合いたい」など、いろいろとやりたいことがあります。

でも、年々「何に挑戦したらいいかわからない。自分で遊びたいこともない」という子が増えていると感じていました。テストの点数など評価がつくようなことはとても器用にこなすのですが、「自由に」という言葉が苦手なタイプです。

最初だけ不安があり、「何をしたらいいの?」って聞く子も中にはいます。「これをしてもいいし、これをしてもいいし、自分がやってみたいことをやっていいよ。あの子はこんなことをやっているね!」などと言うと、安心したようにやり始める子もいます。

そんな中でもY君は人一倍、ユニークな子でした。

ある時は一人でブロックの箱にしまうタイムの目標を設けてはそれを切れるまで挑戦し、ある時は教室の友達を集めて皆で巨大迷路をつくることに夢中になり…本当に自分で毎回の遊びを考える天才だったのです。「場を楽しくする」「雰囲気をよくする」「友達を巻き込む」天才だな~と思ってみていました。

Y君は、高学年になってもそのユニークさは変わらず、何をするのも楽しくやる子でした。テストの点数をとるという点では、特にパッとしたものがあったわけではないのですが、「思いついちゃう」「皆を笑顔にしちゃう」という点では天才的で、思考力の問題は抜群。私の解説を聞いたあとも、教えてもらった解き方とは違うもっといい解き方がないか?を考えるような子でした。

高校も県でトップレベルのところに行ったそうです。(どこでそんなに普通の点数もとれるようになったのだろう?と思いました)

Y君が高校生になったときに、子どものお泊りの引率の仕事を一緒にしたことがありました。高校生リーダーなのでサポート役なのですが、Y君は抜群の魅力で、子どもたちを魅了して大人気になっていました。Y君と一緒にいると、とにかく「楽しい」らしいのです。

Y君は幼稚園の頃からユニークであるが故に、割と型にはまったことを求められるときは、評価されない、怒られるということも多々あったようです。

このY君を見ていて思ったことは、勝手に夢中になることって、イキイキと生き続けるためのポイントだなと思いました。

私が好きなユーチューバーのヒカルさんの言葉で、「たとえ会社をクビになっても、俺の才能や魅力を奪われるわけではないから、痛くも痒くもない」というものがあります。

またNizi PROJECTのプロデューサーのJ.Y.Park氏も

「もし、ここで脱落したとしても、皆さんが特別ではないということではありません。このオーディションはある特定の目的に合う人を探すだけで、皆さんが特別かどうかとは全く関係ありません。みんないつか、この世の中で自分のありのままの姿が特別なんだと、分かる時が来るはずです。一人一人が特別でなかったら、生まれてこなかったはずですから」

と言っています。

正にこの言葉の通りで、たとえ、他人に評価されなかったとしても、自分の「好き」という気持ち、自分の「魅力」、自分の「才能」、は一つも奪われないのです。

子どもたちは多くの「評価」に日々さらされていると思います。テストがあったり、成績表がついたり、習い事の検定試験があったり…。そんな子どもたちに伝えたいのは、評価は一つの軸にしか過ぎないということ。

更に、あなたが好きなこと、あなたの魅力・才能は誰にも奪えないのだから、そここそを大事にしていこうということ。

私は、子どもたちの成長に関わらせていただく仕事をしていましたが、常に持っていたのは、子どもたちへの尊敬。毎日毎日、学校に行って、新しいことをたくさん習い、新しいことがどんどんできるようになっている…その成長スピードには頭が下がる思いでした。

多くの大人にとって、例えば、どんなにセミナーのようなことが好きな人でも、毎日6時間もの新しいことを学び(しかも、決して全てが好きな教科というわけではなく)、テストを受け続けるということは、なかなかできないことではないでしょうか。

また、皆さんは、この一年で、いくつの新しい漢字を書けるようになったでしょうか?私は1年に1個も新しい漢字を覚えられていないような気がしています。昔は、薔薇という漢字や、痙攣という漢字を書けるように覚えたりもしたものですが、1年と経たないうちに忘れてしまっています。

それを思うと、小学一年生でも、一年に80以上の漢字(ひらがな・カタカナを覚える子もいるので、実際はもっと多い数です)を覚えるのです。すごいですよね。それを考えると、日々伸びていない大人が、子どもに対して、偉そうにすることなどできません。本当に毎日、毎日できることが増えているね!本当にすごいね!と思うのです。

そんな子どもたちには、効率的に点数を取る方法ではなく、子どもが本来持ち合わせている「夢中で遊ぶこと」を忘れず、自分の「好き」や「才能」、「魅力」というものを消さずに育ってほしいと思います。

そしてこの言葉は、私たち大人にもそのまま返ってくるように感じます。

今、あなたは、「夢中」で自分の「好き」なことをやり、自分の「才能」を生かしていますか?

【出版のミライ③】「諦める」という言葉が辞書にない人の3つの共通点

㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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