【新刊】学校を開いたら、町が人が風向きが変わった!⑤

花まるタイムが意識を変えた

 

花まる学習会の授業見学に来られた先生や、研修を受けた先生からの感想でよくあるのが、

「これまでの学校のやり方とは180度違う」というものです。

「子どもたち全員の準備ができて揃うまで待つのが公教育。
また、どちらかというと遅い子に合わせるのが公教育」

「朝の一発目から元気な声での音読で、
言い方はよくないかもしれないが、
『やかましい』状態から入るのにはびっくりした」

私たちの授業では、子どもたちがノリノリで、
しかも一つひとつの課題にしっかりと集中して取り組む場面をお見せすることになります。

それを見れば、花まるタイムの意義や狙いについてご理解いただくことは難しくない。

ただし、「これを自分がやるのか!?」とか、「子どもたちをノセられるだろうか?」
という不安を同時に感じるようです。

なかには、「私、前原先生みたいに元気な声を出せない……」という声もありました。
それは、武雄市で最初に花まるタイムをスタートさせた武内小学校でも同じです。

でも、その心配は杞憂でした。
「官民一体型学校」が本格スタートする半年前から、
武内小では少しずつ花まるタイムを始めていましたが、
その成果がしっかりと現れたからです。

本格的にスタートする2ヵ月前に武内小学校へ伺ったときには、
「花まる学習会で研修をみっちり受けた人が授業をやっているのか!?」と思うくらい、
洗練されていて圧倒されました。
最初の研修後に不安を漏らしていた頃と比べると、先生方の表情が明らかに違うのです。

何かきっかけがあったのかどうかが気になり、授業後に先生に話しかけてみました。
すると、

繰り返しやる中で子どもたちが明らかに変わってきたんですよねと、

嬉しそうに話してくれたのです。

授業での発表の声が大きくなった
授業内での切り替えもよくなった
明らかに違うのは集中力。やるときにはやる、という集中の度合いが以前よりも高まった

不安がある中、それでも先生方が「まずはしっかりやってみよう!」と行動してくれたことが、
子どもたちの変化を生んだのだと思います。

その子どもたちの変化が先生たちのやる気へとつながり、
そしてまたそれが子どもたちの学びへとつながっていく――。

この話を受けて2つのことを感じました。

ひとつは、やはり先生は子どもたちのことが大好きで、
子どもたちの成長を心から望んでいるのだということ。

だからこそ、「このやり方で大丈夫かな?」と不安になってしまうこともある。
決められたことをやるだけでいいのなら、そんなふうに思ったりはしないでしょう。

もうひとつは、武内小学校の先生方は研修を受けられたあと、
花まるの考え方を大事にしながらも、
「どのように武内小スタイルへと変化させていくか」について、
議論を重ねたに違いないということです。

子どもたちが花まるタイムに集中し、夢中になって取り組めるようにという一点を大事にしつつ、
そこにいろいろなアイディアが加わっていて独自性が感じられたからです。

「やらないといけない」という気持ちを超え、「やるなら子どもたちの成長のためになるように」と、
その想いで子どもの前に立ち続けていたと思います。

子どもたちを夢中にさせるのは、「教育」の世界では当然のことです。
武内小学校の先生方の姿勢から、そのことに改めて気づかせてもらえた私です。

 

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『学校を開いたら、町が人が風向きが変わった!』

前原匡樹(武雄市協働コーディネーター&人と学校をつなぐ町おこし先生)

1,400円+税   2019/8/31 発売

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