(相談)何度注意してもやめてくれません

学校や園の先生、保護者から相談を受けるときによく感じるのは、問題解決のために”子どもを変えよう”として失敗しているな、ということです。

Bさんから「本の読み聞かせをしているときに、鏡のついている棚に上ってしまうのでやめさせたいのだが、どうしたらよいか」という相談があったとします。

私「言語指示が通る子ですか?」

B「単語はわかることもありますが、何度注意してもやめないんです」

私「指示は通らないということですね」

B「そうですね……」

私「お子さんは鏡が見たいのかしら?それともその棚をよじ登りたいのですか?」

B「いや、どちらなのか……」

私「では、試しに鏡を隠してみてください」

B「それは無理なんです」

私「柵を移動させることはできますか?」

B「それもできません」

私「読み聞かせのときの教室移動も無理ですか?

B「はい」

私「手をつないでおくことも無理?

B「……はい」

私が何を聴いているのかに注目してください。

支援というのは、「人」「物」「場所」でしかできません。環境を何も変えることなく子どもの行動だけを変えようとすることは、目の見えない人に「見えるようになれ」といっているのとたいして変わらないくらい無理なことなのです。

この子の場合、言語指示が通らないのですから、言語指示による行動の修正はできません。したがって、この場合は「環境を変える」ことでフォローするしかないということになります。

さらに人為的にフォローするのか、物を変えるのか、場所を変えるのかといった判断を、現実的に可能かどうか考えながら行う必要があります。

ー『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』より抜粋/編集

◆本書の紹介◆
発達障害の女の子の保護者や支援者が気をつけるべき点や、知っておくべき情報などを全6章、「47のルール」としてわかりやすくまとめたのが本書です。

1章 診断や医療機関の上手な使い方について
2章 親としての心構え、親のとるべき行動
3章 日常生活での支援と療育について
4章 健やかな生活を送るための学校選び
5章 女の子に必要な「学び」-思春期と性教育
6章 療育支援Q&A
「何度注意してもやめてくれません?」
「プライドが高くて注意するとパニックになります」
「新しい場所や新しいことが苦手です」など。

豊富な経験や、専門家からのアドバイスをもとに著者が作りあげてきた「発達障害の女の子たちが幸せに生きていくためのノウハウ」です。

ぜひご活用ください。

―藤原美保(Fujiwara Miho)

籐原さん250

健康運動指導士、介護福祉士。

株式会社スプレンドーレ代表。

エアロビクス、ピラティス、ヨガインストラクター等フィットネスのインストラクターとしてスポーツクラブ、スポーツセンターでクラスを担当。発達障害のお子さんの運動指導の担当をきっかけに、彼らの身体使いの不器用さを目のあたりにし、何か手助けができないかと、感覚統合やコーディネーショントレーニングを学ぶ。

その後、親の会から姿勢矯正指導を依頼され、定期的にクラスを開催。周囲の助けを受け、放課後等デイサービス施設「ルーチェ」を愛知県名古屋市に立ち上げる。100組以上の発達障害の女の子とその保護者をサポートしてきた経験を踏まえ、実践の場からの声を届けるために、『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』を執筆。

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個性と障害の狭間で

㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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