発達障害の診断は幼いうちが得!

「様子を見ましょう」や「大丈夫」の真意

比較的軽度とされる子の多くは、医療機関や療育センターなどで「様子を見ましょう」といわれることが多いです。もちろん、関係者が四六時中わが子の様子を見てくれる、というわけではないので、そういう場合にも「様子を見ましょう」といわれます。
同じように、「大丈夫」という言葉もよく使われます。

「お子さんの発達障害にはいつ気がついたのですか?」
「3歳のときに言葉が遅いといわれたことがあって、親や友人に相談したら、『大丈夫』だっていわれたので……」

この場合の「大丈夫」は、この話を終わらせて次の話題に行きたいときに使われるものです。
女性は男性と違って結論を求めて話をするわけではないので、「大丈夫」といわれたら、「どうして、その根拠は?」なんて追及しないはず。
そんなことを聞いたりしたら、ママ友から「面倒だな」と思われてしまうことでしょう。
その程度の「大丈夫」なのです。不安がある場合には専門機関に相談しましょう。

ルール1発達障害の診断は幼いうちが得!

『発達障害の女の子のお母さんが早めに知っておきたい「47のルール」』より

診断を早めに受けるメリット

発達障害の子を育てるにあたり、その保護者や支援者に対してよくいわれるのが、「ほかの子と比べないで」という言葉です。
それは確かにその通りではあるのですが、発達障害の診断というのは、そもそも「ほかの子との比較」(一定の閾値における基準)によってなされるものですから、比較するなといわれることに矛盾を感じます。
もし、診断を受けたにもかかわらず、社会生活においてどんな配慮や支援も得られないのであれば、あえて診断を受ける必要などないのかもしれません。
しかし、実際には診断を受けなければ、必要な支援を受けることが難しいのです。
発達障害と診断されても、外見上は定型発達の子どもと変わらない場合が多く、そうした事情を知らない第三者から見ると、必要な配慮や支援をしているだけなのに、まるでその子を「贔屓(ひいき)」しているように見えてしまうかもしれません。
あるいは、「変な人」扱いされる可能性もあります。そうした勘違いを避けるためにも、しっかりと診断を受けておき、「必要な支援を受けている」と周囲に理解を求めることは、親の精神的な負担の軽減にもなります。

診断結果が出たら?

お子さんが幼いうちなら、保健師や療育センターなどに相談することをお勧めします。
発達障害と認められると、早い段階で支援や療育を受けることができるようになります。
そのメリットはとても大きいです。
それに、支援が必要なお子さんは、その特性が早めにわかることで、本人も楽になるケースが多いのです。
なにより、家族から理解されることがお子さんの発達によい影響を及ぼします。

早期療育

ーー中略

発達障害と診断されたら、幼少時には、「遅滞部分」(遅れ)については「療育」によって発達を促し、子どもの認知活動を広げることに力を注ぎます。
しかし、「言語や社会性の発達に臨界期はない」といわれるものの、身長の伸びがある年齢を境に止まってしまうように、生物学的に年齢が上がるにつれて成長に伸び悩む部分が必ず出てきます。
上記に似た考えとして、『かわべ式 子育てスイッチ 生まれた瞬間からグングン発達する88の秘訣』で、川邉先生も同じように述べています。

現代だからこそ気を付けたい、子育てのある視点―0~3歳くらいが目途。

 

遅滞部分についても、本人の能力向上をめざすアプローチから、「欠損している部分を補う」ための人為的な、あるいは環境設定等による物理的な外部支援の方向へと考え方を切り替えていく必要があります。

ーー中略

一般的に、年齢があがるにしたがって社会生活における課題はどんどん複雑になり、能力の底上げを図れる幅が少なくなっていきます。幼いうちは情報を取り込む能力の部分を広げることをメインとし、成長後はトレーニングで社会適応力をつけることをめざします。その上で、「経験していないこと」、「情報の取り方に問題があること」、「自然には学べないこと」といった、生活を営む上で本人の力だけでは解決できない「欠損している部分」を、環境配慮や人為的サポートなどの支援によって補っていくのです。

発達障害の女の子18P

発達障害の子どもたちは、発達に「遅れる部分」、「自らは成長できない部分」、「普通に成長する部分」が混在する存在です。そのことを知っておいてください。

発達障害の女の子のお母さんが早めに知っておきたい「47のルール」』より

◆本書の紹介◆
発達障害の女の子の保護者や支援者が気をつけるべき点や、知っておくべき情報などを全6章、「47のルール」としてわかりやすくまとめたのが本書です。

1章 診断や医療機関の上手な使い方について
2章 親としての心構え、親のとるべき行動
3章 日常生活での支援と療育について
4章 健やかな生活を送るための学校選び
5章 女の子に必要な「学び」-思春期と性教育
6章 療育支援Q&A
「何度注意してもやめてくれません?」
「プライドが高くて注意するとパニックになります」
「新しい場所や新しいことが苦手です」など。

豊富な経験や、専門家からのアドバイスをもとに著者が作りあげてきた「発達障害の女の子たちが幸せに生きていくためのノウハウ」です。ぜひご活用ください。

―藤原美保(Fujiwara Miho)

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健康運動指導士、介護福祉士。株式会社スプレンドーレ代表。
エアロビクス、ピラティス、ヨガインストラクター等フィットネスのインストラクターとしてスポーツクラブ、スポーツセンターでクラスを担当。
発達障害のお子さんの運動指導の担当をきっかけに、彼らの身体使いの不器用さを目のあたりにし、何か手助けができないかと、感覚統合やコーディネーショントレーニングを学ぶ。その後、親の会から姿勢矯正指導を依頼され、定期的にクラスを開催。周囲の助けを受け、放課後等デイサービス施設「ルーチェ」を愛知県名古屋市に立ち上げる。
100組以上の発達障害の女の子とその保護者をサポートしてきた経験を踏まえ、実践の場からの声を届けるために、『発達障害の女の子のお母さんが、早めに知っておきたい「47のルール」』を執筆。

発達障害の女の子のお母さんが早めに知っておきたい「47のルール」

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㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

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