伝説のメンター・大久保寛司’s RADIO「あり方研究室」VOL.42「新しい働き方/信じて任せる」

大久保寛司さんのRADIO「あり方研究室」!

第42回のテーマは「新しい働き方」です。

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■VOL.42「新しい働き方/信じて任せる」

GUESTは、牧田恵里さん。前編です。

こちらからお聞きいただくことができます。↓

大久保寛司さんは、長年、日本中のいい会社と呼ばれるありとあらゆる企業を訪問し、その本質を洞察し、その経験を活かして、多くの経営者から師と仰がれ、のべ10万人以上の人の行動を変容させてきた「伝説のメンター」と呼ばれる方です。

2020年以降、これからは「風の時代」になると言われています。

所有から共有へ、ひとりひとりの個性・オリジナルが尊重される世界へなど、「ジャッジしない」「本質的なつながり」の時代が到来するようです。

そして、令和の時代、そしてWithコロナの時代は、「あり方」の時代になっていくと思います。

これまでは、目を外に向けて、社会の中でどう上手くやっていくか、どうしたら、この社会に適合し、成功するかといった「HOW TO=やり方/LIFE STYLE」がフォーカスされ、よりよく成長しながら生きていくという視点が主流でした。

これからは、指を自分に向けて、ありのまま、あるがままの自分とつながって、日々、自分はどうありたいかという「BEING=あり方/LIFE STANCE」をセンターにして、自然に豊かに生きていくという観点にシフトしていくのではないでしょうか。

〜この研究室は、私が皆さんと共に学ばせていただく場です〜大久保寛司

「あり方」について、「教えてほしい」という姿勢ではなく、自分なりに考え、学ぼうとする方は、皆さん、この研究室の研究員です。

共に学んでいきましょう!

今回のGUESTは、株式会社tsumug代表取締役の牧田恵里さんです。

ビジネスの領域で新たな価値を創造する会社に贈られる「Ruby biz Grand prix」2020大賞を受賞した株式会社tsumug代表の牧田さん。牧田さんは、空室・空き家の社会課題×新しい働き方という掛け算で、ワーケーション・シェアオフィス・テレワークなど、これからの時代の「空間利用」と、そこから生まれる「人がもっと自由にイキイキと生きていく」ための新しい物語を紡いでいます。

牧田さんの考える「これからの時代に紡がれていく仕事の姿」とは何か。

「オープンに自由に生きる」牧田さんと、大久保寛司さんの、「これからの会社のあり方」のヒントに溢れた、お二人の対話を、是非、お聞きください。(✳︎ナビゲーター・増田恭子さん)

■牧田恵里さん

株式会社tsumug代表取締役。東京理科大学卒業。新卒でサイボウズ入社。

サイバーエージェントアメリカ、不動産勤務を経てMOVIDAJAPAN(現Mistletoe)に入社。孫泰三氏とともにPiccolo(現VIVITA)事業を立ち上げる。

2015年、tsumugを設立し代表取締役に就任。

■株式会社tsumug

https://tsumug.com/

■牧田さんの人生について紡がれた記事です。

https://edge.tsumug.com/entry/historie-erimakita-01

VOL.42のRADIOから、一部内容を抜粋してご紹介します。

VOL.42「新しい働き方/信じて任せる」

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大久保:日頃は東京、福岡、どちらにいらっしゃることが多いんですか?

牧田:普段は福岡にいます。ただ最近までずっと、1ヵ月半ぐらい、沖縄でワーケーションをやっていたので、「福岡が拠点ですか?」と言われて、今ちょっと不思議な感覚がしています。

最近、働く場所ってインターネットさえあれば、どこでもいろいろな活動ができるようにもなってきているので、本社に行かなくていい、会社に行かなくていいってなってくると、すごく選択肢が広がってくるんだなっていうことを自ら体験しています。

大久保:今、どんな会社の経営をされているか、皆さんにご紹介していただけますでしょうか?

牧田:「tsumug」という会社の代表をしています。

うちは、もともとずっと「鍵」ですね。

鍵のシステムをずっと作ってきていて、通信する鍵のデバイスと鍵のシステムまわりの開発をやっている会社です。

最近は、15分から使えるセルフワークスペース「TiNK Desk(ティンク デスク)」というサービスをやっています。

これは簡単に説明するとLINEで施設を検索して、使いたい施設の予約をして鍵の解錠もLINEからできるんです。実際に使っていただいて、使った時間分の決済も全部LINEで完結して使えるというワークスペースの事業をやっています。

大久保:システム的な鍵を作ろうと考えられたのは、何年ぐらい前なんですか?

牧田:「tsumug」は2015年の12月に創業していて、鍵の事業をやろうと思ったのは、ちょうど当時「IoT」って言葉が結構流行り始めたタイミングなんです。創業前は、孫泰蔵さんという孫正義さんの弟さんで、「パズドラ」で有名なガンホーの会長もやられている方なんですけど、その方のところで働いていて、ベンチャーキャピタルという職業の中で、アクセラレーターというスタートアップを支援する側の仕事をやっていました。

大久保:いろいろな企業のスタート時期を支援する仕事をされていたんだ。

牧田:そうなんです。そこで、株式会社という仕組みを使って、何か事業を起こす時にいろいろな人たちにサポートしてもらって新しいことを始めるというやり方を学んだので、tsumugも投資を受ける前提で作っていました。ですので、最初は一人だったんですけど、一人じゃないというか……。アドバイザーだったり、一緒に資本政策も含めお話しさせていただける方は、結構まわりにいた状態でスタートできたかなと。

大久保:そのとき、スタートアップは、何社ぐらいお手伝いされたんですか?

牧田:当時はMOVIDAという会社で半年間のアクセラレーション・プログラムを提供していましたので、大体1期で10社ぐらい。私が入ってからは30社ぐらいやっていましたね。

大久保:ある意味、立場上、客観的に見えるところがありますよね。

牧田:私はどちらかというと、中にグイグイ入っていくタイプなので、面白いことをやっている人たちのチームには、彼らの隣の席に座って、彼らの雑作業とかやってました。

単なる投資をしているだけとか、プログラムを提供してるだけというよりは、多分、私の気質なんだと思うんですけど、結構その会社の中の一員の気持ちになってやっているタイプでした。

大久保:今、振り返ると、スタートアップと一緒になって手伝うことで何を学ばれましたか?

牧田:今でこそ、スタートアップって、やる方がすごく増えてきているので、カッコイイ職業・憧れみたいな感じで始められる方がすごく増えていて、それはいいことだなと思うんですけど、やっぱり、やっている方たち本人にとっては、結構本当に苦悩してやっている人たちが多いので……。

人のお金を投資で受けて、人のお金で事業を作るということのプレッシャーとかストレス感をすごく身近で見られたかなという学びがありました。

大久保:牧田さんの会社は、雇用もちょっと面白い形態ですよね。

牧田:tsumugという会社は、もともと社員という形の雇用形態は私一人だけで、チームとしては20名弱ぐらいのメンバーでやっているんですけど、ほとんどのメンバーが業務委託という雇用形態を選んでやっていたりします。

大久保:なぜ、そういう形態になったのですか?珍しいですよね。

正社員は作った本人一人のみ。後は、言ってみれば、パートナーというか協力していただける方にダイナミックに集まっていただいて、何かを生み出しているという感じですか?

牧田:これはスタートアップの形態がすごく出ているのかなって、私は思っているんです。スタートアップって、少人数でいろいろ回していかなきゃいけないチームが最初多いんですけど、割と、内部でも外部でも関係なく役割分担をして、とにかく事業を加速させていくということが必要な企業態かなと思っています。

メルカリとかが、わかりやすいですけど、本当に短い期間で何かをやり切ろうとか、加速しようと思うと自分たちだけでは回しきれないんですよね。

採用に関してはここにお願いする、バックオフィスは専門家がいるところに委託する、といった形でも、コアメンバーが集まっていれば、事業として大きくすることも可能なので、専門性がある人たちを巻き込んで、雇用形態に関係なく、チームみたいな形にしていくのがよいのかなと思っています。

ただ最初は全然違う理由から始まっているんです。

うちは、ハードウェアを作ってるので、ハードウェアって、結構専門技術が必要なんですけど、技術者が世の中にはあんまりいないんですよね。

いわゆるスタートアップって、web系のエンジニアの方は、市場にはいっぱいいるんですけど、ファームウェア=ハードウェアのソフトを書けるエンジニアの方って、皆さん大体、メーカーの中にいるので、そうすると、採用がすごい難しかったんですね。それで、割と近しい業界の人たちから転職するというか、みんなぐるぐる回るみたいなことが起こっていて、それだったら、あまり融通の利かない雇用契約にしてしまうと、お互い、会社も相手も不幸になっちゃうんじゃないかなと思ったので、雇用契約を選べる形というのをやり始めたというのが最初ですね。

大久保:今、「副業」と言われていますけど、たぶん、これから副業の「副」が字が変わるんじゃないかと私は思っています。

「副」(サブ)という発想から、「複」数という風になっていくんじゃないかなと。

エールフランスのCAさんを辞めて、そのCAのスキル・ノウハウを一般の人とマッチングさせて会社を作られた方がいらっしゃるんですが、数年前にその方の話を伺って、面白いのは、「フランスに『副業』という言葉がありません、普通のことですから」と仰るんですよ。かつ会社がそれを推奨してるという話を聞いた時に、日本も遅かれ早かれそうなっていくんじゃないかなということを感じたんです。だから……もちろん業種によっては、やっぱり従来型のほうがいいケースももちろんあると思うんですけれど、業種業態によっては、今、牧田さんがされているように、それぞれの専門知識をダイナミックに集めて、固い形じゃなくて、お互いの能力を幅広く、いろんな領域で活かすというのが流れの一つなのかなという風に思っています。

そういう意味では、それをまさに牧田さんは体現されているなと感じたんですが、そのパターンでやる時に、リーダーとして、トップとして大切なことは、どんなことになるんでしょうか?

牧田:一番大切なことは、普通の会社でも同じかもしれないですけど、「信じて任せる」っていうことです。

マイクロマネジメントとかをやっていると、たぶん成り立たないですね、というか不可能ですよね。

いつも横にいるわけじゃないですし、その領域に関しては、それぞれのほうがよっぽど知っていますし、私もエンジニアではないので、エンジニアメンバーとかに任せたほうが早く進むものも多いので。うちの場合は、業務委託の中でも、「権限委任付き業務委託」みたいな形でやっているメンバーも何名かいます。

いわゆる業務委託というと、「外注」みたいな感じに捉えられるんですけど、権限と予算も持った上で、うちのプロジェクトを回してくれてるというメンバーですね。

権限と予算も持っていて「委託」というと、じゃあ社員と何が違うんだと言ったら、雇用契約を結んでないだけじゃないかというぐらいな……。

私は、雇用って、契約形態を自分たちで選べるものになっていくんじゃないかなと思っているんですね。

大久保:私がよく言っているのは、日本は「雇用契約形態至上主義」だということです。この人はパートだ、この人はアルバイトだ、この人は正社員だとなると、正社員のほうがはるかに仕事ができなくても待遇はいいんですよ。だから、「能力成果主義」ではないんです。実は多くの企業がパートとか派遣の人のほうができるケースっていっぱいあるんですよ。でも、給料は何分の1なんですということは、成果主義でも実力主義でも何でもなくて、「雇用形態至上主義」なんです。

たとえば、大手のコールセンターみたいに、サービスを受け付けたり、苦情を受けたりというところは、いわゆる外注というか委託はいろいろあるんです。そういったところの現場に行って、私はずいぶんお話を聞いたことがあるんですけど、簡単に言うと、正社員よりはるかに意識が高いんです。

そしてボーナスはないんですよ。年収は何分の1なんです。

別のところでも、「もういっそ、正社員と派遣、パートと全部入れ替えたら、この会社よくなるね」と言ったことがあって、そうすると、みんな「そうだ」って言うんですよね。

ところがですね、これが正社員にしてしばらくすると、正社員の悪さ加減が出てきてしまうというですね……。

牧田:今、tsumugでは、雇用形態をまず自分で考えて、契約も自分で選んでいいですよという話を最初にするようにしているんですね。

「tsumugに入りたい」と言っていただける方々の中でも、「社員になりたい」「正社員になりたい」という方たちも、すごくありがたいことに多いんですけど、「選んでいいですよ」という時に、「なぜ正社員になりたいの?」と訊くと、「安定して楽だから」という考え方の人も多いんです。

確定申告もやってもらえますし、何もかも会社が全部やってくれますから。「それを自分でやってみるのも、実は、この転職というタイミングはいいかもしれないですよ」みたいな話をいろいろすると、正社員になりたいと言っていたほとんどの人が、「業務委託、一回やってみたいです」とか「フリーランスで、プロジェクト単位で自分のエンジニアスキルを上げていきたいです」といった考え方に変わる場合が多くて、100パーセント変わるんですよ。

つづく

✳︎牧田恵里さんとの対話は、中編に続きます。

✴︎「あり方研究室」は、音声でも配信しています。

■「あり方研究室」VOL.42音声配信

大久保寛司(おおくぼかんじ)

「人と経営研究所」所長

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日本IBMにてCS担当部長として、お客様重視の仕組み作りと意識改革を行う。退職後、「人と経営研究所」を設立し、20年間にわたり、人と経営のあるべき姿を探求し続けている。「経営の本質」「会社の本質」「リーダーの本質」をテーマにした講演・セミナーは、参加する人の意識を大きく変えると評判を呼び、全国からの依頼が多数寄せられ、延べ10万人以上の人々の心を動かしてきた。

特に、大企業・中小企業の幹部対象のリーダーシップ研修、全国各地で定期的に開催されている勉強会では、行動変容を起こす人が続出している。

著書に、『考えてみる』『月曜日の朝からやるきになる働き方』『人と企業の真の価値を高めるヒント』など多数。


大久保寛司『あり方で生きる

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■書籍「あり方で生きる」には、章ごとに、大久保寛司さんの音声ナビゲーションが付いています。

「はじめに」「おわりに」の部分は、下記から無料で聴けますので、よろしければ、こちらから、お聴きいただければと思います。

■「あり方で生きる」音声ナビゲーション

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VOL.42のお話に関連する「あり方で生きる」の中の1項目です。

36「信頼されるリーダー」

36 信頼されるリーダー

これまでの「あり方研究室」はこちらから、どうぞ!↓

大久保寛司の「あり方研究室」

㈱エッセンシャル出版は、「本質」を共に探求し、共に「創造」していく出版社です。本を真剣につくり続けて20年以上になります。読み捨てられるような本ではなく、なんとなく持ち続けて、何かあった時にふと思い出して、再度、手に取りたくなるような本を作っていきたいと思っています。

(株)エッセンシャル出版社
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